1995年兵庫県南部地震（阪神•淡路大震災）を振り返って

摘要

筆者は、1994年3月に大学院の博士課程を修了し、横浜国立大学で研究者としての人生をスタートした。それまで、1994年1月の米国ノースリツジ地震、12月の三陸はるか沖地震で、被災地で建築物の被害調査を行った経験はあったが、それはあくまでも調査•研究の対象としてであった。これに対して、1995年1月に発生した兵庫県南部地震（阪神淡路大震災）は、未曾有の大災害であつたことに加えて、神戸で生まれ20歳まで生活した生まれ故郷が被災地であったこともあり、筆者のその後の研究者人生を決める地震災害となった。