ファイルベース時代に学ぶビデオ技術(プロ編)第8回「波形モニタの表示と使用法」

摘要

自動車に速度計が付いていて、スピードの出しすぎを簡単に把握できるように、映像の管理にも何らかの測定装置が必要で、それを担っているのが「波形モニタ」です。中継など映像信号を伝送しなくてはならない現場では、信号の劣化具合を把握するために必要ですし、ボストプロダクションでは色補正やグレーディングを行う際に重宝します。また、直接映像を扱わない照明部門などでも、波形モニタを活用してテレビ用の照明を作っていくことが可能です。アナログのNTSC信号時代には、主に輝度を見るための波形モニタと、色を見るためのベクトルスコープが使われてきました。またモニタ画面は搭載せず、テレビモニタに波形を映し出すラスタライザと呼ばれる測定機器も存在していました。その後ベータカムに代表されるアナログコンポーネント信号が使われるようになると、3つの信号成分を同時に表示するパレード表示が加わり、ベクトルスコープ表示も実装されて、1台でさまざまな信号を監視できるマルチモニタへと進化しました。また、ダイヤモンド表示やライトニング表示、アローへッド表示など、主にカラーガマットのエラーを確認できる表示が相次いで開発され、搭載されるようにもなりました。