福岡高速5号線3，4工区の設計における構造選定: スレンダーボックス桁の採用

摘要

図-18は，1，2工区の開断面箱桁橋の詳細設計完了時の工事費（破線表示）と今回3工区の概略設計で工事発注したスレンダーボックス桁橋の工事費（実線表示）との上部工コスト比較であるが，さらにコスト縮減が達成されていることがわかる．スレンダーボックス桁は，縦リブ・横リブ，水平補剛材および中間横桁の省略により，多くの製作工数を要する小型材片数を大幅に減少することによって製作コストの縮減と，開断面箱桁備に比べ，現場ヤードでの地組立て作業の軽減や架設工期の短縮から，架設コストを含めトータルとして，コスト縮減を図ることができた．そのほかに，福岡高速5号線は，長期耐久性のある合成床版の採用や長期防食性が見込まれる金属溶射を積極的に採用し，メンテナンスコストの縮減にも取り組んでいる．現在，福岡高速5号線の3工区は，詳細設計中であり，床版支間6mを超える床版支間の取扱いや，架設時の桁の倒れに関する安全性等詳細設計の結果については，後日，機会をいただいて報告することにしたい．今回，スレンダーボックス桁橋の採用において，中間横桁省略の助言をいただいた国土技術政策総合研究所西川研究総務官および構造検討委員会のメンバーの方々に感謝いたします．