今後の技術開発に求められるもの

摘要

昨年，当社の機材倉庫の積もった埃の中に，東京都永代橋の基礎をニューマチックケーソン工法により施工している状況を記録した工事写真集が見つかった。永代欐は元禄の時代に架けられ，当時としては最大規模の橋として江戸の民衆に利用され，また愛されてもきたが，1807年久々の祭礼に詰めかけた群衆荷重が原因で凄絶な落橋事故を起こした。事故後再架橋したものが再び老朽化したことを受け，1897年鋼製のトラス撟を架橋したものの，今度は炎上事故を起こした。そうした経緯を経て，1923年に発生した関東大震災の復興事業として現在の橋が架けられることとなり，ニューマチックケーソン工法が橋梁基礎として日本で初めて採用されたのである。