硫酸酸性溫泉に生息する紅藻による希土類·貴金属の選択的回収

摘要

硫酸性温泉紅藻(Galdieria sulphuraria)は、青緑色 をした5〜10ミクロンの単細胞性微細藻である。世 界各地の硫酸酸性温泉を中心に生息し、日本ではィデ ュコゴメ （湯が出でる所に生息する米粒のように小さ な藻）という和名を持つ。高温（40〜50℃) •強酸性 (pH0.1〜5)を最適増殖条件としており、固い細胞壁 を持ち、様々な環境ストレスに強いことから、硫酸酸 性温泉において90%以上の優占種である。藻類の大 量培養では、他の生物のコンタミネーションによる増 殖阻害が大きな問題となるが、他の生物が増殖しにく い環境条件で効率よく増殖する硫酸性温泉紅藻はバイ オテクノロジーでの利用に非常に適した藻類である。