内装材に調湿性があれば表面結露しないのか？

摘要

表面結露は目視が可能であり，人びとに最も身近な 結露現象である。この結露は建材の腐朽，かび，汚 れ，内装の剥離といった被害の原因となる。これを 抑えるための一般的な対策としては，壁の断熱性の 向上が考えられるが，例えば窓面の結露のような断 熱性が弱くなる部位での結露発生を完全に防ぐことは 困難である。調湿材を用いることで表面結露を防ぐこ とが可能であれば，非常に有効と考えられる。本稿では本誌2005年1月号で，筆者らが執筆した「調湿 材で表面結露は防げるか」を元に，調湿材が表面 結露防止に対して有効に働くのかどうかについて，ま ず表面結露発生原理とその防止策を考え，調湿材が どう位置づけられるのかを示す。次に，寝室を例とし て調湿材のもつ，室内湿度安定化の能力とその持続 時間について計算結果を取り上げその防止効果を考 える。