グレン·マーカツ卜

摘要

この住宅は、シドニー北部の半島にあるパーム・ビーチに位置している。道路からはほぼ目につかないこの住宅は、ビーチから歩いていける距離にある手つかずのブッシュランド（ォーストラリアの低木林）の急斜面に建てられており、陸と海の両方へ視界が開けている。上階には、エントランス、玄関ホール、主寝室、バス・ルーム、そしてキッチン、ダイニング・ルーム、リヴイング•ルームといった共用スペースが設けられている。エントランス横の主寝室は、北側と岩肌の両方に面しており、道路からのプライヴァシーを確保するとともに自然光を利用できるようにしている。ゲストは、大きなタぺストリーが掛けられたコンクリート製の吊り階段を上階から道路レヴェルへと降りていく。下階には3つのベッド・ルーム、物干し用のデッキつきのランドリー、2つのパスルームが3層にわたって設けられておリ、野生の樹木やブッシュランド特有の植物の奥深くにあって、よりプライヴエートな雰囲気をつくりだしている。この住宅は火災危険性の高い区域にあるため、鉄筋コンクリー卜の基礎、強化ガラス窓、鋼製の棟木、鋼板で仕上げた屋根材から外壁、ダーク・グレーの鲭止め塗料で仕上げた壁面および鋼材に至るまで、厳しい法規に従って設計する必要があった。このような困難な条件にもかかわらず、この自然換気を採り入れた住宅は、軒天や開閉窓によって日陰と通風を確保し、屋根を覆う太陽光パネルによつて家庭内での電力需要をまかない、集水システムにより全体の雑排水をリサイクルするなど、環境に配慮したものとなっている。