活力ある超高齢社会を共創する

摘要

2030年には日本の高齢化率が約32%となり、3人に1人が65歳以上の高齢者となる。特に重要なことは前期高齢者数が横ばいであるのに対して、後期高齢者数が急増することである。後述するとおり、後期高齢者の増加は、知的·身体的活動になんらかの支援が必要な方の増加を意味する。また、高齢者世帯の構造的変化として、単身高齢者•夫婦のみ世帯が2030年には37.7%となる。これまでは家族により介護や見守りが行われてきたが、これからは一層社会システムとしての支援が求められる。さらには高齢者多死時代が到来し、終末期の医療·介護、成年後見、尊厳ある死の問題などが発生する。例えば、現在日本人の約8割は病院で死亡するが、社会保障や次世代への負担を考えると、増加に合わせて病院が多数建設されることはない。このままでは人生の最期のときに行き場を失う高齢者が増加する。特に東京都、神奈川県、大阪府といった都市部において顕著に課題が発生する。