外へ出て己を知る: 学位留学から海外就職へ

摘要

学部入学のころから海外への憧れはありましたが漠然としたもので、具体的に留学を考え出したのは専門を学び始めてからです。3年生で建築学科に進学したところ、建築よりもその背後にある「都市の場の力」に興味を持ちました。ただ、具体的に何の力なのか、どう分析するかは見えてこず、工学的分析や建築家的解釈への違和感だけが募り、修士進学で研究室を選ぶ際も建築学科•都市工学科には目指す場所を見つけられませんでした。そこで、若気の至りではありますが、海外への憧れと目指したい研究室がないという二つがつながり「留学しよう」という結論に至りました。実は少し視野を広げれば、土木や経済学でその主題に取り組んでいる方々がいらっしゃったんですけどね。私が在席していたころの東京大学では交換留学の制度もなかったので学位留学を目指すことになりました。交換留学していればそれで満足していたかもしれませんが、結果的には、より覚悟を必要とされる学位留学をしてよかったと思っています。ただ、目指した当初はそこまでの気概はなく、準備をしながら、そして留学先で学びながら覚悟ができてきたかたちでした。