アルゴリズミックデザインの可能性： AIは建築設計を変えるか

摘要

松川：研究室ができた初期はアルゴリズミックデザインとは何かという枠組みそのものを学生たちと一緒に試行錯誤していました。議論を繰り返すなかで、アルゴリズミックデザインとは植物を育てるようなものだと考えるようになりました。植物の形は一見多様に見えますが、実は非常にシンプルなルールに従ってできているといわれています。アリステッド·リンデンマイヤーが考案したL-system(エル·システム）によれば、枝一本が複数本に分かれるときに、太さや長さ、あるいは折れ曲がる角度には部分的なルールがある。その部分的なルールをフラクタル状に繰り返すことで植物の形ができる。つまり植物は、非常に単純な仕組みから多様な形を生成しているというのがわかります。