気候危機時代に技術とどう向き合うべきか

摘要

建築計画では、想定する建物の寿命に応じてリスクを想定しなければならないが、特に社会基盤となる建築や大型建築は、長寿命であることが求められ、稀な地震や台風、豪雨などを想定しなければならない。設計を続けていると考慮すベき地震力や雨量が年々増大していると感じる。巨大な地震のたびにそれに関する規制が強化され、天井が落ちればその基準が新たに加えられ、災禍のたびに想定は見直されてきた。一方で隕石衝突や竜巻などの非常に稀な現象やテ口行為など、法律的にも慣例的にも建築計画には見込まないリスクもある。この線引きは政治的に決められているだけで、9.11の同時多発テロの後には、飛行機の衝突についての検討依頼もあったし、国の重要施設はテロまで想定して設計をする。