近代建築法制100年にむけて

摘要

2019年は、わが国初の近代建築法制度（市街地建築物法·旧都市計画法）が成立して100年目の年である。建築法制委員会では、これを機に近代建築法制100年を振り返り、新たな制度設計にむけた議論を展開したいと考えている。都市の成長拡大から縮小縮退、建築のフローからストックへの時代にむけた大きな転換期を迎えるなかで、今日的視点からフォーカスする意義は大きい。まず;建築規制の基盤ともいえるゾーニング手法（地域地区制、用途地域制）について再考したい。旧都市計画法による用途地域制導入から100年、新都市計画法による地域地区制（線引き制度）から50年が経過し、人口減少·少子高齢化という大きな社会変化とともに用途地域制のあり方や集約型都市への再編を追求するなか、新たな枠組みが必要とされている。