地域住民が気づかない地元の魅力を再発見

摘要

南さつま市は、鹿児島市から車で約1時間、東シナ海に面した薩摩半島に位置し、九州本土の西南端。市の中心部の加世田は南薩鉄道が走っていたため、明治以降も商業をはじめ、地域の拠点として発展してきた。鹿児島県内の麓(薩摩藩の外城制度において郷士が居住していた集落)は、多くが武家屋敷として知られているか、加世田の麓は江戸時代の武家屋敷が残っているだけでなく、明治時代以降の規模の大きな郷士の邸宅や近代和風住宅、洋館が残されている。水路ゃ伝統建築などの貴重な地域資源も埋もれており、それらの再発見とまちなみ整備を2010年から開始。特に、まちなみの重要な位置にある旧鰺坂正一郎邸の取り壊し計画があり、保存保全に向けた調査を地元の方とともに進めている。