槇文彦氏の「いきざま」伝わるメッセージ

摘要

4月18日、JIA(日本建築家協会)九州支部通常総会に続き、会員集会として「場所の構築を目指した半世紀」というテーマで槇文彦氏の講演会を開催した。主催はJIA九州支部、会場は横氏が設計した福岡大学60周年会館「ヘリオス」のへリオスホール、聴衆は学生や一般人も合わせて270人ほど。毎年開催されるJIA総会は福岡巿都心部での開催が恒例だが、記念講演を横文彦氏にお願いすることになり急遽福岡大学の協力により実現できた。槇氏は言うまでもなく世界を代表する建築家の一人であるとともに、JIAの有力なアクティブ活動会員でもある。講演では近代建築興隆期における槇氏自身のポジションから説きはじめ、近作に至るまで場所と建築の関係や、そこで考えたことを一時間半立ったまま精力的に語った。以下に、講演の中で槇氏が提示した示唆に富んだメッセージを拾ってみた。