完璧な住まいを求めて。「ビラシリーズ」の生みの親が語り遺したこと

摘要

ある時代背景のもとに生まれた住宅の特異な形や理想像。それが現代においてどのような意味を持っかを探る、一話完結、12のストーリー。ヴィンテージマンションとて、今なお現役で、絶大な人気を誇るビラシリーズ全9棟。最初の建物であるビラ•ビアンカが竣工したのは1964年、東京オリンピックの年。生みの親は興和商事会長の故•石田鑑三。「売れなくてもいい」「工期は決めない」「予算は気にしない」…はたして今この国に、20年先の住まい方を真摯に考え、覚悟を持って究極の集合住宅をつくることを実践しているデベロッバーが、どれほどいるだろうか？生前の石田氏の貴重なインタビューをもとに筆者が書き下ろす。未来の描きにくくなってきた時代だからこそ、石田の話に耳を傾けてもらいたい。