住宅ライフログによる単身高齢者の健康•安全確保支援に向けて

摘要

2015年はAppleの"Apple Watch"に代表されるウェアラブルデバイス元年といわれている。これらの端末などを利用したIoT(モノのインターネット)におけるセンサネットワークにより，環境状況や人の生理情報の取得が容易になり，大量のデータが即時的に収集することが可能となりつつある。これらのビックデータの価値を見出し，いち早くGoogleは2014年2月に家庭用室温制御装置(サーモスタット)のメーカーであるNestを32億ドルで買収した。また，東京電力は2023年度までに2700万台の時系列データの取得ができるスマートメータを導入する，という計画も背景にある。気象観測や産業計測，自動車/交通インフラ，医療分野においても取得した多くのデータを分析活用することで新たなザービスをもたらすことが期待されている。日本国内では，超高齢化社会を目前にして，単身高齢者が自宅で死亡後，数日から数週も経過して発見される，いわゆる"孤独死"が大きな社会問題となっており，孤独死を未然に防ぐ広域的なケアシステムの構築が求められている。本報では，スマートメータからの消費電力量やウェアラブルデバイスに搭載されている三軸加速度計から得られるデータを単身高齢者世帯のライフログとして活用し，居住者の安全や健康を支援する技術の研究について報告する。%Estimating of "living life log" in an effort to support of the seniors living alone using the power consumption and the triaxial accelerometer was reported. As the result it was kind of possible to determine if a resident is at home or not using the power consumption. Moreover, about 50% of daily activities could be estimated using the triaxial accelerometer.