ジャトロファに含まれるホルボールエステルの紫外線および酵素リパーゼによる分解

摘要

近年，石油の高騰と地球温暖化対策からバイオディーゼル燃料(BDF)の生産量が増加している.BDFの原料は菜種油•大豆油•パーム油等の食用油である.しかし，これらの油を使ってBDFを製造すると油の値段が高騰し，さらには原料が入手困難となる状況や食糧生産との競合が発生するという問題がある. そこで，現在，BDFの原料としてJatropha curcas(ジャトロファ)が注目されている.ジャトロファはトウダイグサ科の落葉低木である.食用作物に適さない土地でも生育し，その栽培は食料作物の栽培と直接的には競合しないとされている.このため，ジャトロファは熱帯地域の発展途上国において，今後，大規模な栽培が見込まれている.しかし，ジャトロファには発がんプロモーター作用のある，ホルポールエステルが含まれていて，ジャトロファのBDF利用促進の障害となっている.%Jatropha curcus has recently been the focus of intense research interest as a raw material of the biomass fuel. The concern for health and environmental risk from the phorbol esters in Jatropha are inhibiting the fuel use promotion of the Jatropha curcus. The purpose of the present study is to determine phorbol esters degradation by UV irradiation and lipase. In conclusion, the phorbol esters in Jatropha curcus were degraded by UV irradiation and lipase.