社会的余剰最大化問題の枠組を利用したインセンティブ型デマンドレスポンスの設計手法

摘要

本稿では，SWM問題の枠組を利用して，インセンティブ型DRにおける報酬単価の上下限を設定すると共に，DRによる電力需要の調整限界を時刻別に算出した.提案手法は，DRの実施により生じる電力供給者と電力消費者双方の余剰の変化分から，DRの設計に必要な各種数値を導出するものである.数値計算では，作成した関数に課題を残すものの，得られた結果の傾向がDRの目的と合致することを確認し，提案手法がDRの設計に有用であることを示した.今後は，関数の妥当性の検証，改良に加え，電気料金型DRへの適用も検討していきたい.