東北地域におけるセクターカップリングを考慮した地域エネルギーシステムの設計

摘要

脱炭素社会の実現には, 再生可能エネルギーの導入拡大が必要である. しかし, 主要な再エネである太陽光や風力は, その間欠性が, 電力部門において送配電の安定運用に支障をきたすものと考えられてきたため, 国内では「系統制約」により系統接続できる再エネ電源に上限を設けている. 一方, エネルギー需要の約70%を占める熱需要や輸送用燃料需要のほとんどは, 化石燃料により賄われているため, 脱炭素化が進んでいない. こうした背景から, エネルギーキャリア間でエネルギーを大規模に融通するセクターカップリングの概念が注目を集めている. 本研究は, セクターカップリングを考慮したエネルギーシステムを最適化モデルによって設計し, その性能を各種指標により評価することを目的とする.