有資格コメディカルの定員管理の推移とキャリア形成に関する考察

摘要

国家公務員（以下，公務員という）においては，「行政機関の職員の定員に関する法律（1969年）」により定員管理がなされており，国家公務員共済組合連合会（以下，連合会という）でも，これまで公務員に準じた形での定員管理が行われてきた．バブル崩壊後，大幅な公務員削減がなされた同時期に，連合会病院においては「新たなる再編合理化計画（5カ年計画，2003年～2007年）」が策定され，職種毎の定員管理に関して強化された．定員管理は，常勤職員の増加を抑制することに対して一定の効果を上げてきたが，その定員は，決して適正配置数を意味するものではなく，昨今では有資格コメディカル（以下，医療技術職という）の既得権の温床になっているのではないだろうか．適正配置数については，病院規模に依存するのではなく，その医療の内容に大きく依存する傾向があり，管理については非常に複雑である．今後は，その職種が各病院においてモチベーションを持ち，有機的に機能していくことを管理することが重要であると考える．