腹部スクリーニング超音波検査における進行大腸癌の検出率の検討

摘要

腹部スクリーニング超音波検査における進行大腸癌の検出感度を検討した.対象は2009年1月から2012年12月までに当院で切除手術をした進行大腸癌351例中，大腸癌の存在が未知の時点で腹部超音波検査を施行していた101例.それら進行大腸癌症例において，腫瘍の占居部位別，肉眼型分類別，腸管環周率別，壁深達度別に腹部超音波検査による検出率を算出した.検出率は上行結腸癌と下行結腸癌で高く90%以上であった.検出率が低かったのはS状結腸癌と直腸癌で57%台であった.平均検出率は74.3%と高く，腹部超音波検査は進行大腸癌検索の非侵襲的な検査として非常に有用であると考えられた.