格子ボルツマン法を用いた岩盤亀裂内におけるシリカ析出の流体物理学的シミュレーション

摘要

熱水に溶存した無機塩やシリカ析出による亀裂閉塞は，地殻中の熱水循環及びそれに起因する地熱貯留rn層や熱水鉱床の分布，その力学的・工学的性質に大きな影響を与えることが知られている．本研究では，rn単純なシリカの壁面吸着モデルを導入し，シリカ析出における反応速度論的プロセス及び物理的プロセスrnの重要性について評価した．そのため，格子ボルツマン法を用いて流速分布，温度分布および溶存シリカrnの濃度分布のシミュレーションを行い，化学的および物理学的プロセス双方からシリカの析出量を予測しrnた．その結果，シリカ析出は反応速度論的プロセスのみでは説明が難しいこと，物理的プロセスが重要でrnあることが示唆された．