フォースプレート内蔵型トレッドミルの性能向上に関する研究

摘要

フォースプレートは地面に設置し，その上を歩行または走行することにより，地面に伝える力を計測することができる装置である．計測可能な力の範囲や大きさによって複数の種類のフォースプレートが開発されているが，構造的に一定以上の大きさにすることは難しいため，必要に応じて複数のフォースプレートを設置する必要がある．一方，トレッドミルは限られた空間内において歩行・走行等の運動を可能とする装置であり，スポーツジムだけでなく，一般家庭においても広く使用されている．そこで，フォースプレートをトレッドミルに搭載することができれば，限られた空間において長距離歩行，走行における地面反力計測が可能となることから，フォースプレート内蔵トレッドミルが開発されており，リハビリテーションへの利用等を想定した低速度で歩行計測を行うためのトレッドミルや，スポーツを想定した高速度にベルトを駆動可能なトレッドミル，ベルトが左右で分割され，左右足の歩行速度の差を考慮した運動・計測が可能なトレッドミル等が開発されている．しかし，フォースプレート内蔵トレッドミルを用いることによって計測する地面反力には，ベルト駆動や使用者自身が発生させる地面反力を入力とする共振現象等が誤差として含まれる．その対策として，振動発生の減少や剛性の増加が考えられるが，構造の改善で行える誤差の低減には限界がある．そこで，振動による誤差を他のセンサを用いて計測し，誤差補正に使用する方法が考えられる．本研究では，フォースプレート内蔵トレッドミルに複数の加速度センサを搭載し，振動等の要素を計測することによって誤差の補正を行うことを目的とする．