古紙繊維を用いた砂地盤の液状化抑制効果に関する実験的検討

摘要

液状化現象は，地震時に発生する主な災害のひとつとして知られており，過去の液状化被害は数多く存在する．1964 年に発生した新潟地震における液状化現象の発生を機に，わが国において液状化対策に関する研究が積極的に行われてきた．本地震以降，複雑な地盤環境に合わせた液状化工法が数多く発見されてきたなか，中道らによって，繊維補強材によって液状化が抑制されることが見出された．しかしながら，化学合成物質によって生成された繊維材が自然環境へ与える効果については考慮されておらず，また，他の繊維材を用いた液状化抑制効果についても，十分な議論がなされていない現状がある．