破堤箇所で採取した二ツ森川堤防土の力学特性の評価

摘要

高透水性基礎地盤に起因して堤体が崩壊するメカニズムについて模型実験を通して検討してきた。平成28年に越流なき破堤した二ツ森川堤防においても，堤体下部に存在する高透水層が被災の要因となっていることが推測されていたが，実際に破堤にまで至った要因は堤体土自身が浸透に対して脆弱な試料であったことが今回の三軸試験から明らかとなった。模型実験と同じ現象が実堤防でも発生する可能性が示されるとともに，地盤構成の把握とともに堤体土の力学特性の評価が河川堤防の安全性検討に必須であることも併せて示された。