北関東地方の高齢者の移動手段としての路線バスに関する研究

摘要

我が国の路線バスは1965 年以降モータリゼーションにより利用者の減少が続き、現在の輸送人員はピーク時の半分1)である。加えて、2008 年をピークに人口減少社会に突入しており、2047 年頃には総人口が1 億人を割り込むことが予想2)され、これからも輸送人員の減少は必至である。この現状で推移すると廃止されるバス路線が増え、路線バス以外の公共交通に乏しい地域の住民の移動手段が限られてしまう。特に、自家用車の運転が難しく一人で移動できない単身高齢者が、市街地から離れた比較的大規模な病院に通院するのは容易ではない。そのため、今後も路線バスの維持は必要であると考えられる。以上を踏まえると、路線バスの維持を検討する前にまずは現状の路線バスのサービス水準を把握し、どのように生かすかを考える必要がある。