新規火力発電所の立地評価に資する国内既設火力発電所の分析（敷地面積・必要淡水量・温排水）

摘要

経済産業省は「海外展開戦略（電力・鉄道・情報通信）」を取り纏め，電力分野等のインフラシステムの輸出を積極的に輸出する方針を示している．また，節電マインドの浸透と省エネ家電の普及により国内の電力需要は減少傾向であるため，新たに，現地状況の情報が得られにくい域外や海外等での発電事業を積極的に展開していく必要がある．これらの火力発電事業においては，現地企業を含む複数の出資者と共同で特定目的会社を設立するなどの形態がほとんどである．これらの事業では，限られた情報に基づき，技術・商務の両面から，短期間でリスク評価を行う必要があることから，その際に指標となる情報の蓄積が求められる．本稿では，全国の火力発電所（石炭・LNG）の環境影響評価書の記載事項をベースに，発電所の敷地面積，温排水等，技術面でのリスク評価を行う上で重要となる要素について分析し，報告するものである．