表面処理が水を介したコンクリートの物質移動性能に及ぼす影響

摘要

コンクリート構造物の劣化を促進させる因子である，塩分や水分などの浸入を抑制する補修方法として，表面被覆や表面含浸などの表面処理が広く施工されている．またコンクリートの表面処理としては，上記のようにコンクリート表面に施工するものの他に，断面修復を施工する際のプライマーのようにコンクリートと補修材料との界面に施工するものもある．これらの補修材料が塩分や水分などの劣化因子を抑制する性能規定については，土木研究所の報告1)や各構造物管理者により定められている．しかしなから，上記の性能規定はコンクリート表面に雨水がかかった際の性能を想定しており，断面修復箇所における母材と補修材の界面やコンクリート表面に水分が滞留・移動する際の影響はあまり考慮されていない．