VR（ヴァーチャルリアリティー）技術を活用した体験型安全衛生教育の取り組み

摘要

建設業で発生する死亡災害は全産業で発生する死亡災害の約30％という非常に高い割合を占めている。さらに、建設業における死亡災害の原因は、図-1 に示すように墜落・転落災害が40％以上を占めている。このことから、建設業では墜落・転落災害を無くすことは長年の課題となっている。墜落・転落災害の要因には、人的要因 -例えば、規律の無視・危険な行為(安全帯の未使用、作業標準の無視)- が多くあげられている。そのため、建設現場では人的要因によるミスをなくすべく、安全衛生教育の中で過去の災害事故事例を用いて、災害事故が発生した要因やどう対策すべきだったのかを講義形式で現場作業員に教育している。しかしながら、現在の紙ベース・映像ベースの教育では災害事故の発生を完全に防ぐことができていないのが現状である。そこで当社はこれまでの講義形式の受動型教育に代わる、最新のVR 技術を活用した体験型教育に取り組み、安全意識の向上に繋げることを試みた。