開発者向けユーザブルセキュリティ・プライバシー研究の現状調査

摘要

ユーザブルセキュリティとユーザブルプライバシー（以後USP）の研究分野はこの数年で転換期を迎えている。エンドユーザを対象にしたUSP 研究から、ユーザの年齢層や国/地域、職業、身体的な障害など、ユーザの属性を絞った研究が盛んになっている。職業を絞ったUSP 研究として、ソフトウェア開発者の暗号技術の利用に関するユーザビリティ研究が2015 年頃より活発になってきているが、一方でそこで議論されている内容は暗号技術としてはまだ初歩的な技術についての議論にとどまっている。そこで本研究では、現状の開発者向けUSP 研究がどういう状況にあるかを調べ、それらを整理することで今後の方向性を検討する。