JVM上の動的言語のための抽象解釈の実装

摘要

概要：本論文では，現在我々が開発を行なっているClojure言語用の抽象解釈器OPAL/Clj の実装について説明する.OPAL/Cljは，JVMバイトコードレベルの抽象解釈とClojureコードの「具象解釈」を混ぜながら実行することにより，動的で複雑な言語機能を使用する現実的なコードであっても，その振舞いをある程度正確に解析することが可能である.バイ トコードの抽象解釈には既存のフレームワークを用いているが，混ぜながらの実行を実現するには，単純にフレームワークの機能を呼び出すのではなく，Clojureコンパイラにも修正を加える必要がある.本論文では，Clojureコンパイラにどのような修正を行つたかを中心 に実装について詳述する.