拡大光学系とディジタルlight-in-flight ホログラフィーを用いた3 次元媒質中を伝播する光の4 方向直線偏光の動画像記録

摘要

超高速に変化する現象を対象としたイメージング技術が化学や材料科学など，幅広い分野で注目されている．超高速に時間発展する現象を記録・観察し，物体中での光の振る舞いや状態変化を明らかにすることで未知の物体組成の解明，新たな産業の創出につながることが期待できる．光の振る舞いを観察する技術として，light-in-flight ホログラフィー1, 2)が研究されている．この技術はホログラフィーの記録光源に超短パルスレーザーを用いた，光パルスの伝播を強度情報として極めて高い時間分解能で記録できる技術である．また，ホログラフィック乾板に代えて撮像素子を用いたディジタルlight-in-flight ホログラフィー3)では，得られた動画像の定量的評価が可能である．我々はこの技術を応用し，伝播する光パルスの偏光情報を強度情報に置き換えてディジタル動画像記録する，偏光light-in-flight ホログラフィー4)を研究している．この技術は，偏光の振る舞いを観察できることに加え，原理上一回の露光で記録することが可能である．また，ピコ秒やフェムト秒領域で変化する現象の多くは微小領域で発生する．そこで，本発表では微小領域における現象の観察を目的として，偏光light-in-flight ホログラフィーを用いた光パルス伝播の偏光成分ごとの拡大像をディジタル動画像で記録する技術を提案，実証する．