形彫放電加工における加工面積が加工速度と電極消耗速度へ与える影響

摘要

形彫放電加工では加工面積によって適切な加工条件が異なるが，それは作業者の経験によって選定される場合が多く，加工現象との関係は十分には解明されていない.ある加工条件の下で加工速度が最大となる加工面積が存在し，加工面積がそれより小さいと加工速度が低下するという面積効果が知られている.その理由として放電分散(加工安定性)の悪化が挙げられているが，2.2節で後述するように加工面平均温度や放電面平均温度も影響すると考えられる.そこで本研究では，加工面積が加工速度と電極消耗速度に及ぼす影響を温度の観点から考察することを目的とする.