一台のカメラを用いたステレオ撮影による三次元座標の測定

摘要

画像相関法とは，物体表面に描かれたランダムパターン画像を変形前後で比較し，物体表面の変位を求める手法である.複雑な光学系を必要としないため測定が簡単であることが特徴であり，非接触かつ非破壊で物体のひずみや変形を定量化することが出来る.画像相関法を用いたひずみ分布測定の技術はCFRP,樹脂などの新材料の物性取得をはじめとする幅広い分野および目的で用いられている.一台のカメラで撮影を行った場合には平面物体の面内変位を測定することが出来る.それに対して，物体の三次元表面の変位およびひずみを測定するためには，同時に異なる角度からの撮影を行う必要があるため，複数台のカメラを用いなければならない.そこで本研究では，三次元表面の変位およびひずみ測定の簡易化を目的として，カメラ一台でステレオ撮影を行う方法を検討る.カメラと物体の間の適当な位置にプリズムを設置することにより，一度の撮影で異なる二つの視点からの物体を映し出し，得られた画像を用いて画像相関を行う.