ナノ粒子分散MR流体の分散安定性·再分散性の評価

摘要

MR流体はオイルなどの溶媒に強磁性粒子を分散させたものであり，外部から印加される磁場に応じて液体状から半固体状へと急速に可逆的に変化する．この巨大なレオロジー変化は，磁場下において磁気分極した強磁性粒子が結合し多数のクラスター形成することによっでもたらされる．一般に，強磁性粒子には直径数μmのカルボニル鉄粒子が用いられている．しかしながら，ミクロンサイズの粒子と溶媒との比重差が大きいため，粒子が沈降し，しばしば強固なケーキ層を形成する．この粒子沈降によって外部磁勘印加に伴うレオロジー変化に遅れが生じるなど，MR流体の応用分野の拡大に影響を及ぼしている．本研究では，沈降試験を用いて粒子分散安定性を評価し，再分散性については沈降層の硬さの測定を行うことによって定量的な評価を試みた．