時間的相関を用いた疎な点群の圧縮のための点拡張

摘要

点群圧縮は，没入型テレプレゼンスや自律走行車のような3 次元センシング応用技術を実用化するための必須技術である．動き補償と占有予測に基づく従来のフレーム間幾何符号化手法は，フレーム内符号化手法に比べて優れた圧縮性能を達成する．しかし，この手法は正確な動き補償の後であっても，現フレームの点群と参照フレームの点群の間の幾何的誤差によって圧縮性能が制限される．本稿では，この幾何的誤差に対処するために，参照フレームにおける点の拡張手法を提案する．提案手法は測域センサの光線方向によって点を分類し，その分類ごとに構築されたオフセット集合を用いて点を生成する．オフセット集合は，収集されたオフセット候補集合から訓練用の点群データの平均符号量を削減するものを選択することによって構築する．動的に取得された点群シーケンスを用いた評価実験では，提案手法は従来のフレーム間幾何符号化手法に比べて3.29%優れた圧縮性能を達成した．