自動車乗員の頭部運動傾斜方向と視覚の有無が動揺病に与える影響

摘要

車両横加速度環境下において，ドライバを模した遠心力に逆らう頭部傾斜を同乗者が行うことによって，動揺病が低減することが実験的に示されている．しかし，同実験では開眼条件のみで行われており，頭部傾斜による動揺病低減に対する，視覚の影響は不明である．そこで，車両横加速度環境下にて，同乗者の頭部傾斜方向と視覚の有無を変化させた場合における動揺病の程度の差異を調査した．その結果，視覚の有無に関わらず，求心方向に頭部を傾斜することで動揺病が低減することを示唆する結果を得た．また，頭部傾斜条件下にあっても，開眼により有意に動揺病が低減できることが示された．