樹脂部品の衝突CAE予測精度向上への取り組み（第2報）－自動車用エネルギー吸収部品のモデル化手法の提案

摘要

近年，環境負荷低減を目的に軽量化の手段として樹脂部品の自動車への採用が増加している．一方でFMVSSに代表される衝突安全に対する要求の高まりから，ボディのみならず内外装部品での衝撃エネルギー吸収が要求されている．また車両開発期間の短縮や試作費用削減等の目的から，設計段階でのCAE手法適用はもはや不可欠なものとなっており，樹脂材料のCAE技術確立が重要な課題であると言える.樹脂材料の解析におけるモデル化に関しては，いくつかの取り組みが発表されているが，複雑な機械的性質により難易度が高く，CAE技術は確立されていない．そごで，（公社）自自動車技術会·構造強度部門委員会·樹脂ワーキンググループでは，2010年5月から「樹脂部品の衝突CAE予測精度向上」をテーマとして論議を重ねてきた．