行動観察に基づくチルトレバーの使い易さ評価

摘要

自動車はどのお客様にとっても使い易いものである必要がある。自動車は他の商品に比べて「使い易さ」を感じる部位が多くあるため、その仕上がりの質を高めるためには、使い易さについて、お客様の要求を理解し評価可能にする必要がある。使い易さを構成する要素としては、①見た目の分かり易さと②操作時の身体的負荷が挙げられる（Fig. 1）。従来の検討方法は、経験に頼るところが大きく、仕上がりは熟練の技術者によるところが大きかった。近年「ヒューマンデザインテクノロジー」、「ユニバーサルデザイン」の考え方が広まってきており、直感で頼っていた製品開発のプロセスをできるだけ定量化の視点で見直し、検討漏れのないユーザーフレンドリーな製品作りが可能になっている。取り組むテーマを定量的に解いた報告は多くみられるが、そのテーマの抽出方法から検討している報告事例は少ない。今回、運転姿勢に大きくかかわるステアリング位置を調整する「チルトレバーの使い易さ」について行動観察とインタビューによって使い易さに影響を及ぼす特徴的な要因を抽出し計測したので結果を報告する。