集中系モデルを用いたディスクブレーキ面内鳴きの発生メカニズム調査

摘要

自動車用ディスクブレーキは制動中に発生する鳴きによる騒音が静粛性の妨げとなり，クレームとなるケースが多々ある．鳴きは，ロータ面外方向に主体的に振動する面外鳴きが主流であったが，最近特に問題となっているのは，ロータ面内方向に振動する面内鳴きである．面内鳴きに関する研究はまだ浅く，抑制対策はもちろh発生メカニズムや振動特性さえ詳しく解明されていない．横井らは，ディスクブレーキの周方向振動による鳴き発生メカニズムを解明するために，円板とはりによる摩擦実験から周方向振動を調査し，理論的に検討した結果，円板の軸方向のはかに周方向の振動を確認できた．齋藤らはFEM解析による鳴きのシミュレーションを行い，その結果，ロータハット部が周方向に大きく揺動しており，摺動部はハット部揺動に助長されるように粗密運動していることを確認した．本研究では，実機を用いて面内鳴きの特徴を実験的に明らかにするとともに，集中系による線形解析モデルを用いた数値解析により面内鳴きの発生メカニズムを解明する．