ステレオ画像と数値計算の併用による横風を受ける噴流の温度·濃度場推定法

摘要

環境負荷を評価するには，煙突からの排煙の温度·濃度の拡散の計測が必要である．しかし実際の煙突のスケールは大きく，流れ場全体を直接計測することは困難である．本研究では，画像処理と数値解析を組み合わせ，間接的に非接触の形で温度場·濃度場を推定する手法を開発する．屋外環境では，自然光により噴流全体が体積照射される上に，周囲流体の風向きや速度が変化し，常に同じ光量や角度で画像を得ることは出来ない．本研究では自然光源下の風向きが変化する噴流に適用できる手法を構築した．ステレオ画像から噴流の縁に現れる特徴的なせh断渦[2]を検出，追跡することで風向きを検出した．更にその風向きを用いて煙突出口での速度境界条件を算出した．この速度境界条件および温度を変化させて計算した結果とステレオ画像を比較し，温度を推定した．最後に，計算した濃度場とステレオ画像から抽出した噴流形状を比較することで濃度場の評価を行い，推定された温度場と熱電対で実際に計測した温度場と比較·評価し，推定手法の実現可能性を検証した．