PET基板上ITO透明導電膜へのストレス印加による電気的・形態的変化

摘要

次世代半導体技術として，プラスチック基板上へのフレキシブルエレクトロニクス製造が注目されている．従来の液晶ディスプレイやタッチパネルに用いられるガラス基板は，衝撃に弱く，硬い材料であるためである．一方，透明導電膜材料として用いられているITOは，酸化物であるため，一般に脆く，曲面や折り曲げ用途に向かないとされている[1]．しかしながら，形状変化に対して，どのような電気的および形態的変化が生じるか詳しくわかっていない．形状変化に対して導電特性が変化してしまうと，デバイス化した時の性能が左右されてしまうため，その詳細を明らかにすることが必要である．本研究では，PET上に形成されたITO薄膜の形状変化に対する電気抵抗の変化をリアルタイムで測定し，抵抗変化領域における形態観察を行うことで，その劣化要因を解明することを目的とする．さらに，形状変化に強いとされるCNTを追加塗布した際のストレス印加についても評価し，その効果を明らかにする．