光電子計測を用いた金属探針先端における中赤外近接場の波形計測

摘要

近年、電子-格子相互作用のようなピコ秒以下の時間領域の現象を空間局所的に観察する方法として、原子レベルの空間分解能と高い時間分解能を有するTHz-STMに注目が集まっている[1]。その方法での時間分解能はTHzパルスの帯域に制限され数100 fs以上となっている。我々はフェムト秒スケールで起こる電子のダイナミクスを観察するためにさらに短い時間幅のサブサイクル中赤外パルスを用いた中赤外STM(MIR-STM)を開発している[2]。今回、真空チャンバー内において広帯域中赤外パルスがSTM探針先端に生じさせる近接場の時間波形を計測した。