水溶性犠牲層を用いたアナターゼ型Nb: TiO_2エピタキシャル薄膜のフレキシブルシートへの転写プロセスにおけるバッファ層の効果

摘要

柔軟で曲げ伸ばし可能なフレキシブルデバイスには従来、有機材料やアモルファス酸化物が用いられてきた。この理由は、これらの材料がフレキシブル基板として一般的に用いられている高分子の低い耐熱温度を超えないよう、低温で作製することが可能なためである。これに対して、圧電体、強誘電体、強磁性体など様々な特性を示す酸化物のフレキシブルデバイス応用が注目を集めている。しかしながら、機能性酸化物が優れた機能を示すには高温プロセスにて基板上にエピタキシャル成長させることが望ましく、高分子シート上に直接作製出来ない。そこで我々は、基板のみを溶解させて機能性酸化物のエピタキシャル薄膜を転写するプロセスの研究を進めてきた。しかしこの手法は、基板を完全に溶解することからコストが課題となっており、本研究では図1に示すように水溶性犠牲層Sr_3Al_2O_6 (SAO)を用いて透明導電性を示す機能性酸化物アナターゼ型Nbドープ(3%)酸化チタン (Nb:TiO+2) エピタキシャル薄膜をフレキシブル化するプロセスを検討した。