溶液プロセスで逆型有機太陽電池に使用できる正孔輸送材料の開発

摘要

従来のシリコン系光発電技術と異なり、有機太陽電池は低温度かつ溶液プロセスで作製できるため、低コストエネルギー技術として期待ができる。その低コスト性を実現するには、有機太陽電池に利用されている全ての層を非真空プロセスで作製することが必要不可欠である。しかし寿命が長い逆型太陽電池では、活性層上の濡れ性が悪く、正孔輸送層を成膜することが難しい。例えば、順型太陽電池で多く使われているPEDOT:PSSは活性層上で成膜する際、界面活性剤の利用が必要となり、高品質の正孔輸送層が作れない場合もある[1]。また PEDOT:PSS は酸性による金属電極の腐食等逆型構造で使用することに課題がある。その結果、現在 MoO_3のような酸化金属を正孔輸送層として真空プロセスで成膜することが多い。