屈折率センシング光コムを用いたバイオセンシングに関する検討（3）：アビジン/ビオチン抗体抗原反応の検出

摘要

バイオセンサー[1, 2]は、抗体抗原反応など生体分子の特異的な結合を定量的または選択的に測定可能なセンサーであり、特に高精度/高感度/耐環境性といった利点を有する光ファイバーセンサー型バイオセンシングが注目されている。一般的な光学的バイオセンサーでは、抗原抗体反応に伴う実効的屈折率変化を光スペクトルシフトとして計測しているが、ブロードなスペクトル幅に対してシフト量が少なく、分光器等の性能から測定分解能が制限されてしまう。そこで我々は、マルチモード干渉（MMI）ファイバーセンサーをファイバー光コム共振器内に配置し、共振器ファイバーの波長分散を介して、屈折率変化/光スペクトルシフト/RF スペクトル（繰り返し周波数frep）シフトに変換することで、RF 周波数計測型の高精度屈折率センシング光コムを提案している[3-6]。更に、ビオチン固定化MMIファイバーセンサーを共振器内に配置し、RF 周波数計測型のバイオセンシング光コムについて報告した[4]。本発表ではビオチン/アビジン間の定量的な検出について報告する。