多孔質金属フィンを用いた凝固促進

摘要

近年，夜間の余剰電力の有効利用手段のひとつとして潜熱蓄熱装置が注目されている．これに利用される相変化物質(PCM)は熱伝導率が小さいという欠点を有するため，伝熱面積拡大のためにフィンを用いることが一般的である．しかしながら，フィンを設置すると相変化物質の総量が減少し，蓄熱量が減少してしまう．この問題を解決するために，多孔質金属で形成したフィンを用いることを提案する．多孔質金属は伝熱面積を大きく取れ，熱伝導率が大きいという利点を持つため多くの活用例がある(1)，(2)．しかし，容器全体を多孔質金属で満たしてしまうと，PCM の総量の減少や流動抵抗が大きくなるといった問題が生じる．本研究は，矩形容器内に設置された多孔質金属フィンの透過率や空隙率及び形状が凝固現象に及ぼす影響を無次元数値解析によって検討したものである．