ヒト黄色靭帯の加齢にともなう力学特性の変化

摘要

ヒトの体には頸部から腰部にかけて脊柱管内に脊髄があり，脳とともに中枢神経系を受け持つ重要な役割を果たしている．この脊髄が椎間板の突出や黄色靭帯の骨化?肥厚による脊柱管の狭窄によって圧迫され，腰痛，両下肢のしびれ,間欠跛行，排尿障害などの症状が現れる病気を腰部脊柱管狭窄症という．この治療法としては，椎弓形成術および椎弓切除術という手術治療による脊髄除圧が一般的であるが，術後の合併症として脊椎の変形や手術を行った箇所で脊椎の不安定性が生じるケースがある．このような現状から有限要素法を用いた腰部脊柱管狭窄症の椎