不平等電場中の凝集粒子の分散メカニズム

摘要

壁に付着した粒子を除去するために流体抵抗や振動 を用いることが多いが，粒子が帯電している場合，電 場を利用すれば非接触で粒子の運動を制御できる．さ らに，粒子が同極性に帯電していれば，粒子間の静電 反発を利用して分散させられる． 一方，粒子が誘電性のとき，外部電場中で粒子は誘 電分極し，粒子間に静電気力1) がはたらくので，外部 電場の電気力線に沿って鎖状凝集粒子を形成する．一 般に，凝集粒子と流体の相対速度が小さいとき，凝集 した粒子を分散させることは難しい．特に，壁面に付 着·堆積した帯電凝集粒子が壁面から離れて静止流体 中を浮揚する場合，機械的外力によって粒子を分散さ せにくいので，電場を用いた非接触運動制御法が有効 と考えられる．