バイオ燃料電池の高電流密度化に向けたアントラセン二量体－メディエーター複合体の開発

摘要

酵素を触媒に用いるバイオ燃料電池は，生体に安 全·安心なグルコースなどを燃料として利用できる次 世代電池であり，医療用補助具や携帯機器での利用が 期待されている．酵素が本来有する活性と，電極の三 次元構造化により得られる高表面積を有効に活用でき れば，携帯機器向けに開発が進められた直接メタノー ル燃料電池に匹敵する高電流密度化が可能であること が示唆されている一方で，従来研究で実際に得られ る電流密度は低い値にとどまっていた．本研究グルー プではこれまでに，低電流密度の要因についての検討 を行い，メディエーターを電極表面に高密度に固定化 できず，酵素の反応·度を活用できていないことが電 流密度を制限していることを明らかにしている．